アスベスト問題。町民の健康は、町づくりは


先月の21日、文具店に働いていた方が、アスベストが原因と見られる中皮種によって亡くなったと報じられました。当初、国のガイドラインでは、アスベス被害の危険性がないとされる立場の方でした。私は、アスベスト被害の実態が浮かび上がる度に、ガイドラインの見直しや、保証体制の見直しも進むものと思います。しかし、私は、国の出すガイドラインを懐疑的に考えています。その根拠となるべき背景を若干申し上げます。
 我が国では、1987年、アスベストの危険性が表面化し、社会問題になったのをきっかけに、校舎などの公共施設改善措置がされ始めました。そして、94年には当時の社会党が「石綿規制法」の成立を目指しましたが、石綿メーカーのニチアス、クボタ、三菱マテリアル建材他、当時8社の労働組合が反発し、また、労働組合で組織されている連合も、当時「急な規制は雇用不安を招く」として、法案に反対。また、自民党も業界との利害関係から賛意を示せず、法案成立を断念するという経緯がありました。なお、当時の高田典男ニチアス労組委員長は「企業の自主規制が進んでおり、被害はこれ以上でないという意見が強かった。法規制されれば、代替品開発が遅れていた中小企業が大打撃を受ける心配があった」また、連合担当者は「規制も大切だが、雇用を守る必要があった」とマスコミの取材に応えています。
そして、この問題の後、1989年から、2002年まで、アスベストを扱っている、社団法人日本石綿協会の専務理事が旧通産省出身で、特にアスベスト関連のセクションにいたOB3人による順送りで占められています。また、この間の85年間から97年まで、労働衛生学が専門で、アスベスト問題にも精通しているといわれていた桜井治彦慶応大学名誉教授が顧問を務め、「社会に貢献する天然資源アスベスト」という石綿協会作成のプロモーションビデオに自ら出演し、「排気ガスでも発ガン性物質が排出されている。アスベストも決してゼロにしようと考えるべきではない」と訴えています。後にマスコミの取材に対して「石綿協会から、安全衛生について積極的な対応を。との要請を受け、前任者から引き継いだ。今から考えれば、アスベストはゼロにするよう努力すべきと言うべきだった」と答えています。そして現在では、今年1月から中央環境審議会の環境保健部長を努め、新たに環境省が本年5月に発足した「アスベストの健康影響に関する検討委員会」の座長に桜井名誉教授は就任しました。その後、事態が発覚し、桜井氏本人が辞意を表明しましたが、ここでも人材を選考した環境省は「労働衛生分野でのこれまでの業績から適任と判断した。石綿協会の顧問をしていたことは知らなかった」桜井氏本人は「石綿協会の顧問をしていたことを忘れていた」とコメントしています。なお、現在のアスベストに関するガイドラインの基は桜井氏作成したものです。こうした経緯を鑑みれば、国の作成するガイドラインに対して、私が不安を払拭できない理由がおわかりいただけるのではないかと思います。いずれにしても、まったく、国民の命を何だと思っているのでしょうか。危険性を知りながら安全と偽ってきた関係者は罪に問われないのでしょうか。どうして、未だに国は日本石綿協会を公益法人として認可し、存続させているのでしょうか。
 さて、わが町にとっても、アスベスト問題は対岸の火事ではありません。恐らく、瑞穂町内の一般住宅などにも、かなりのアスベストが使用されているはずです。そうした住宅にお住いの方々のみならず、今後、解体やリフォームの時に舞い上がる粉塵に、相当量のアスベストが含有され、周辺への健康被害を発生させる可能性も否定できません。
また、現在町では、進展する駅西、殿ヶ谷の両区画整理をはじめ、新たに栗原地区も区画整理に事業に向けて準備中ですが、都市計画には解体事業は不可避であります。然るに、現在、アスベストを適正処理する業者への予約がほぼ飽和状態であると指摘される中、解体作業が進まず、都市計画に遅延を来たすなど、様々なまちづくりへの影響も懸念されます。こうした状況の中で、今後、町としてどのようにアスベスト問題に挑んでいくのか、特に、次の2点に渡って、町長に所見を伺うものであります。
(1)現在、町内にある公共性、公益性を有する施設(現シルバー人材センター、フレッシュハウス、農芸高校なども含む)や、一般住宅、マンション等のアスベストの使用状況は把握されていますか。
(2)かつて、公共施設では瑞穂斎場や都営住宅など、比較的大規模な解体が行われました。また、民間の施設でも、大規模な改修工事がなされたところもあります。こうしたところでは、適正にアスベスト処理がなされたのか、可能な限り調査する必要があると思いますが、町長はこの点をどのように考えていますか。また、解体状況によっては、住民に不安を与える可能性も予想されます。町長の方針としては、はっきりと事実関係が示せない限り周知しないのか。可能性が否定できないのであれば、積極的に周知したいと考えているのか。町民の健康に拘る問題に関しての町の情報公開、情報提供に対する考え方をお示しいただきたいと思います。
 再質問予定
@   4小学校では、喘息などの呼吸器等への異常が他の学校よりも顕著だが、アスベスト被害との因果関係はないと判断しているのか。都営住宅解体との因果関係はないと考えているのか。ないといえる根拠はあるか。
A   登壇でも言ったが、かつて解体した、瑞穂斎場や比較的大きな民間施設の解体、改修など、アスベスト処理が適正に行われたかどうか把握できているか。把握する必要はないと考えているか。
B   町民から見た場合、行政でできること、地域でできること、個人ですることの区分が必要であると考えるが、町ではどのように考え、対策を講じていく考えか。特に、生活環境課、保健課は、アスベスト問題で、それぞれ現場に直結している。それぞれの立場での対策案を示して欲しい。
C   まちづくり、特に都市計画には時期やタイミングが必要であると考える。町づくりの遅れは、町の財政にも少なからぬ影響を与える。そしてその都市計画には、現実解体が必要である。適正なアスベスト処理を優先させるのか、それとも、町づくりの進捗を優先させるのか、それとも他に何か考えていることがあるのか、町長に伺いたい。
(再々質問)
@   阪神大震災で、アスベストと思われる中皮種患者が増加し、2次災害との指摘がある。こうした中で、被害を受けた患者、家族から「マンション等の解体には、事前説明が必要である」「建設、解体のパトローラーが必要である」など、様々な指摘がされたが、町ではその必要性についてはどのように受け止めているか。
A   かつてのシロアリ駆除業者が、行政から委託を受けたと偽り、自宅にシロアリがあると住居者に不安を与え、いらぬリフォームを行う詐欺行為が横行した事件があった。アスベスト対策については、このような関連した被害が発生すると危惧するが、こうした被害を未然に食い止める施策も必要と考えるが。
B   京都では、アスベストが大量に不法投棄されるという事件があった。信頼できるアスベスト処理業者の選定も必要と考えるが。
C    瑞穂町は健全財政とは評価されているが、アスベスト被害から町民の生命、健康を守るために、必要によっては町単独での予算化を講じる考えがあるかどうか。


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