環境と経済
〜石油依存の中で〜



[はじめに]
グローバルな視点で・・1992年ブルントラント委員会(各国政府首相・大統領が認証した委員会)の報告書「われら共通の未来」のなかで、地球市民が持続可能な暮らしを行うための行動指針として、地球憲章の必要性を述べている。
そして、1992年ブラジルで開催された「リオ地球サミット」では数々のNGOから地球憲章が提出されたが、合意には至っていない。そこで、1997年ゴルバチョフ元ロシア大統領等を中心に23名からなる地球憲章委員会が発足、日本からは広中和歌子(参議院議員)が代表で出席している。
その後、京都会議COP3(第3回地球温暖化防止会議)をはじめ、各地域からの代表者の意見を受け、2000年3月にパリのユネスコ本部で開かれた地球憲章員会の中で、最終的な「地球憲章」(別途資料)が完成。2000年6月にオランダのハーグにあるピースパレスで正式に発表された。
この中には生態系の保全を含め、地球環境を阻害させる化学物質についての項目を有している。ということは、各国が研究実施に入ることを意味するのである。残念ながら日本の政治家、経済団体の多くが、好むと好まざるとにかかわらず、この憲章の趣旨に基づいて技術革新、製品開発等をしていかなくては、加工貿易国である日本の輸出に影響がでることを認識している人が少ない。
アメリカは政府レベルでは必死に京都議定書への批准に抵抗しているが、抵抗する主な理由はなにか。現在の国連機関、世界銀行等アメリカが主導権を握っているといってよい。例えばWHOの国際安全基準認定に対しても、アメリカの研究機関のデータは必要不可欠の物となっている。アメリカの研究所のスポンサーは民間企業であり、WHOが国際安全基準を定めたときには、すでにアメリカ企業は技術革新が終わり、パテントを有することとなる。このように国連とのタイアップ関係が、アメリカの産業構造を支えている大きな要因ともなっている。しかし、「地球憲章」を受け入れれば、エネルギー問題を含め、経済構造のファンダメンタルを抜本的に変革する必要が生じてしまう。アメリカ民主党は理想主義的であり、民主党が政権を担えば、「地球憲章」への承認が容易になる可能性が大いにある。一方共和党は極めて現実的であり、民主党で沈む経済を活性化させる。あるいは経済の新陳代謝を促進するための政策を打ち出していく。カーライルグループに代表されるような、軍事利権とも密接繋がっている。また、FRB(アメリカ連邦準備銀行)は、世界に借金をしまくっているアメリカの基軸通貨ドルを守るために、なんとしてでも経済の弱体化を防がなくてはならない使命がある。補足として、今回の地球憲章がゴルバチョフを持ってきたことは、ロシアの天然ガス、パイプライン構想を現実化させるためであろうし、ロシア政府単独の予算では、不可能なため、国際的な資金を得る目的ではないかと予想される。また、その際、資金引出しの名義人がゴルバチョフではないかと私は予想している。ちなみに、ロシアの通貨ルーブルの保証に、チェースマンハッタン銀行が入っている。恐らく、ロシアのユーロ加盟を視野にした、3極通貨へのステップではないだろうか。

関わる人々の立場と意識により、単純なことを、複雑にしてしまっているのが現状であろう。従って一概に言い切れないが、様々な思惑の中でプロジェクトが進められていることの認識は持つ必要があると思う。
 こうしたグローバルな視点で今後を予想したとき、先ほども申し述べたように、好むと好まざるとに関わらず、長期レンジで判断した場合、日本企業も技術革新を進めねばならず、また、国際基準の名のもとに、法律が整備され、国からトップダウンで地方自治体へ、説明のないまま、事務作業だけが下ろされてくることが予想される。
 
[現状の問題点と要因]
@    なぜ日本人は化学物質に対して認識が甘いのか。
有害化学物質に関しての日本人の認識は極めて鈍感といえる。これは、先進15カ国を対象に行われたアチーブメントテストにおいて、化学が14位であったことかも想像がつく。一例をあげれば、痴呆症にしても、アトピー性皮膚炎にしても、遺伝子の問題や、動物性蛋白の問題だと聞くと、それ以上追求しない。低年齢化する犯罪にしても、親の躾や、社会環境の問題として受けて止めている人が大部分ではないだろうか。いわゆる「噂話」程度の認識で科学的なレベルまで以上踏み込まないのである。一方アメリカはといえば、痴呆や、アトピーが遺伝の問題であるなら、どの物質が遺伝子に関わるか、また、犯罪にしても、採血や食生活を含め、科学的な因果関係はないか分析している。日本人には残念ながらこの「科学」に対してまで踏み込んでいかない、いわゆる「噂話」に対する信用がある意味「科学」よりあるという国民的体質があると思われる。中でも、「化学」はアチーブメントテストの結果の示す通りである。
 なぜこのような国民性を有したかといえば、日常生活の中で「目に見えぬ変化」がどれほどの影響を与えるかという機会に、日常触れる機会が極めて希薄であるからといえるであろう。
一例だが先日テレビでアフガニスタンの住民が、自国通貨をドルに変えていた場面を放映していた。為替は変動し、一番有利な通貨で物品を売る事が利益率の高いことを日常生活を通して知っているのである。自国の通貨を他国の通貨に変化させ、またその通貨を別の通貨に変化させ、一番有利な条件のところで自国通貨に戻す。これは国境線を有する世界各国では当たり前の生活の知恵である。日本は島国であるため、円勘定の発想から先が出てこない。「価値基準が変化する」という経験を日常行っていないのである。では基軸通貨を有するアメリカではどうかといえば、小学校から投資と投機を学校教育で教えている。日本はこうした個人レベルでも、政府レベルでも知識や対策を講じなくても敗戦から50年以上国家を運営できた稀有な国といえるであろう。しかし、戦後50年が経過し、欧米列強が日本に対して、育成機関が終了したと判断されている昨今、日本だけが国際基準に抵触しなない場合は、資源の供給料を始め、新たな難局に直面するであろう。
Aシステム上の問題
化学物質過敏症や、シックハウス症候群等は今後増えることは確実といえる。花粉症を考えてみてもらえばよい。NOxと花粉の化学反応物質に対しての抗体量が多ければ発病しない、少なければ発病する。つまり個人差はあるが、摂取量によって誰もがかかる可能性があると考えてもらってよい。しかし、この2つの症例に関しては、まだ十分市民権を有していない。従って、専門に研究している人であればアドバイスできるであろうが、まだこの専門家が社会進出するだけの条件は量的に無理がある。
症状も初期には、目のかゆみ、のどのいがいが、鼻水、問診の段階では風邪で終わってしまう。学校では先生が「最近落ち着きがない」と注意するときもあるが、要因が有害化学物質の可能性も大いにある。また、怒りっぽい、いらいらが強いときは精神科で安定剤をもらって、それ以上はストレスか個人的な性格上の問題とされてしまう可能性が多いのではないかと予想される。この段階で適切な処置(キレート方等)で対応できれば犯罪にまで発展しなかったケースも多々ある(アメリカ教育問題研究所)。
しかし、日本での診療行為が許されているのは医者しかいない。こうした問題を解決させるためには、医療制度改革を含め抜本的な制度の見直しを図らなくてはならない。しかし、直面している有害化学物質の問題は深刻であり、可能な限り急ぐ必用がある。従って、場当たり的ではあるが、有害化学物質に対しての専門家と医師、学校、行政とのネットワークの構築が急がれる。
A    石油依存
現在原油は98品目に精製され、その内約3000万品目が化学物質として日用品に含有されている。余談だが、国民憲章には新エネルギーへの取り組みが記載されているが、これだけ石油に依存していく中で、副産物として生成される過程に出てくる化学物質を使用しないことは、国家的見ても財政上困難と言わざるを得ない。恐らく石油に代わる新エネルギーの導入、及び、副産物として発生する化学物質の代替品を自然界に求めたら、それこそ森林伐採を含め、自然環境の悪化が予想される。カーギルがバイオコンビナートを作るなど、長期的な戦略は進められてはいる。また、現状の植物学では生育を早めるための遺伝子研究も行われると思われるが、需要と供給とのバランスを考えれば、実現するためには莫大な何月と研究費用がかかる。従って、当面は石油に依存せざるを得ないのである。従って有害な化学物質がなくなることは当面ありえないと判断される。
 

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