大型店の出店 まちづくりの新たな課題は



昨年、武蔵村山市に、本年には、殿ヶ谷地区に大型店が立て続けに出店し、元狭山地区においても、大型ショッピングセンターの隣接地にこちらも立て続けに大型娯楽施設が出店しました。 
 こうした施設は、雇用問題や町の税収に貢献するものと思いますが、一方で、住民にとっては交通環境などに多大な影響をもたらします。
また、産業構造にも少なからぬ影響があるとも予想されます。しかし、そうした新たに発生した諸問題にすべからく町が対応していくことは、財政的に限界があります。そこで、町長に次の4点を伺います。
1点目は、大型店出店に伴って発生した諸問題についてであります。
現在出店している大型店もさることながら、わが町から車で10分とかからない入間市内に、新たに大型のショッピングモールが建設中であります。こうした大型店の出店により、町の交通環境、産業構造などの激変が予想されますが、限りある財源の中で、何を重点課題、優先課題に捉え、対策を講じていく考えか伺います。
2点目は、都市計画上の問題についてであります。
町では、殿ヶ谷地区、駅西の区画整理が進行しています。また、新たに栗原地区の区画整理も着々と準備が進められているものと理解しています。特に、既に工事施工している2箇所の区画整理事業については、当初の計画のまま推進することで、そごは生じないのでしょうか。所見を伺います。
3点目は、大型店の出店に伴う諸問題を、国の制度改正なども踏まえたうえで、町の経営戦略の立場から伺うものであります。
国では安部内閣の元、財政再建が進められており、様々な税制改正がなされております。特に、現在、税制調査会では、新たに、法人税の税率引き下げなどが検討されているとも伺っています。また、国から打ち出した福祉などへの新施策に、好むと好まざるとに拘らず、地方自治体に財政負担を課して事業を推進させてくることも予想できます。こうした施策は、わが町の行財政運営に少なからぬ影響をもたらすものと考えます。この度の大型店の出店に伴って発生する様々な課題に対し、町の財政計画と整合性をどのように捉え、推進していくのでしょうか。行財政運営上の課題と問題を伺います。
4点目は、長期総合計画との整合性の問題についてであります。
町では、平成13年に「長期総合計画」が策定され、17年12月には、後期基本計画が定例会で可決されました。確かに、殿ヶ谷地区への大型店の出店は以前から話があり、ある程度の予想はできましたが、国の政策転換のスピードと、大型店に限らず民間事業者の活発な動きや、進出の影響などは、想像以だったのではないでしょうか。はたして、平成22年を目途に進められている長期総合計画をこのまま推進することで、現在の町づくり計画との整合性は保たれるのでしょか。所見を伺います。
 
以上で登壇での一般質問と致します。
 
再質問
@    すでに大型店が出店後、大型店周辺道路で自動車事故が数件あったと伺っているが、内容と対策、諸経費について伺う。
A    商店街などの対策は今まで町側は協力的に行ってきた。今度の大型店出店で、商店街側から要望がもたらされた場合、どうされるおつもりか。
B    都市計画について、町の都市計画は、横田基地の関係上、工業地域の割合が高い。しかし、今、国際的な視点で見た場合、生産拠点は東南アジアを中心とした開発途上国に、そして、先進国は消費と廃棄という流れになっている。また、廃棄物処理事業者の進出をこれ以上抑制する制度がない。こうしたことで、都市計画地内の住宅地への影響が懸念されるが。
C    町では固定資産税のウエイトが高い。また、株式により利益を得る方々が増加している。財政的にも、コンパクトシティー化し、快適な居住空間の確保による住民税のウエイトを高める施策が求められるのでは。
D    殿ヶ谷の区画整理について、当面は側面的な支援を行うことになると考えるが、いずれにせよ、公金支出を伴う以上、組合側にも今まで以上に透明性の確保を図るように要請するべきでは。
E    高度成長期からバブル期にかけて様々な施設が建てられたが、老朽化が激しく、立替や改修が必要となってくる。これは、全国的な問題である。町では、新たに発生するこのような施設改修や、都市化に伴って進展する新たな施設建設要望など、どのような財政計画のもとに進めていくのか。実質公債費比率や、基金等の財政目標は。
F    そうした財政目標の中で行財政運営を行う以上、住民からの要望にことごとく応えていくことは不可能である。今後は、住民のマンパワーに期待し、対応していかなくてはならないと考えるが。
G    長期総合計画の実施計画で、実行予算が組まれていると思うが、状況応じて、予算配分や優先順位の見直しを図る必要があると考えるが、現状での考えは。
 
再質問(予定)
(1)現時点での対策と優先順位は
【交通安全】
ジョイフル本田やDAIEIができたことで、特に下校時
の交通安全の問題が発生している。第3小学校地域で
はガードレールの設置を望む声が上がっている。第5
小学校・第1小学校方面では渋滞回避の抜け道になり
つつある。(カーナビの普及など)
《森の意見》
ガードレールの設置は理想だが、そのためには道路拡張など、莫大な費用と年月が必要である。また、地権者の協力も不可避である。まずは、地域の人的資源(高齢者・PTAなど)を最大限活用することを優先的に考えるべきであると考える。しかし、明らかに危険ポイントが特定された場合、福生警察署、地権者の協力を求め、安全対策を講じる必要がある。「生垣があり、歩道や路側帯から出なければ通行できない場所がある」
 
【道路修繕】
車両の増加は道路補修の必要性を発生させる。道路補
修を発生方式で補修すれば、渋滞が増加しかねない。
また、交通渋滞を引き起こし、結果的に安全上支障を
来たす。また、児童・高齢者・障害者の歩行安全確保
のための施策の必要性を考慮する必要があるのでは
(ガードレール・段差解消・カラー舗装・標識など)。
《森の意見》
最も影響が考えられるのは都道である。それらは、都との交渉になるであろう。しかし、問題は抜け道に使われて、町道の補修が必要となるところである。そこで、道路補修については、補修サイクルと傷みのランク付けが必要ではないか。なぜならば、住民からの要望にすべからく応えて補修することは不可能であり、住民への理解と協力の上から説明責任を果たせるようにする必要があるからである。また、工事は必要によって、雨水・下水道、その他、東京電力、NTT等もあるから、一層の計画性が望まれる。また、障害者等への安全道路の確保については、基本的には都市計画事業の推進に併せて行い、明らかな危険個所については、対処療法でミラーの設置やカラー舗装等を福生警察署に申し入れるべきである。
 
【防犯防災】
救急車については比較的対応ができると考える。問題
は、消防車両である。例えば、昨年暮れに発生した青
梅街道沿いの住宅火災が今発生した場合、どのような
対応になるのか不安である。
《森の意見》
消防団と安全協会の連携の強化が望まれる。必要に応
じて、消防団員による交通誘導や非常用の交通止めア
イテムなど、必要かつ効果的な備品等については予算
化も視野に入れる。
 
【商店街対策】
青梅街道の渋滞は商店街の経営にも少なからぬ影響を
与えるのではないか。町では、商店街振興プランを作
成しているが、このような現状から、商業者からの様々
な要請が町にもたらされた場合、町は対応するべきな
のか。
《森の見解》
基本は商店主達の自主的な努力を期待するべきであろ
う。仮に予算化するのであれば、高齢者・障害者・育
児家庭などへの宅配事業など、町の福祉施策、就労支
援策などと連動した場合に限るべきである。
 
【その他】
他にどのような問題が発生すると考えられるのか。ま
た、そうした住民からの声は、町に届けられているか。
 
(2)都市計画上の問題は
【都市計画】その1
町の都市計画では、このような渋滞が発生することも
想定して計画が策定されているのか。
 
【都市計画】その2
都市計画は、住民の住環境の確保が最も重要なテーマ
であろう。しかし、通過車両に悩まされるような住環
境になってはならない。それは、今までご協力いただ
いた地権者に対して可能な限り避けなくてはならない。
現計画の都市計画でそごは生じないか。
 
【都市計画】その3
町は飛行直下にあるため、都市計画を進める上では住
宅地域よりも工業地域が多くなっている。しかし、国
の税制改正(法人税率の削減の方向)やわが町の固定資産税に対するウエイトを考慮した場合、住民税への依存度を高める必要があるのではないか。商業、工業、住宅のバランスを今後どのように施策として展開するべきか町長の考えを伺いたい。
 
《森の意見》
都市計画事業は、国や都からお墨付きをもらって行っ
ているので、事情が変わったといって、ダイナミック
に変更することは困難である。しかし、必要によって
は、道路面の工夫(凹凸を付けて、物理的に車両の速
度を落とさせる)などは可能であろう。少なくとも快
適な住環境維持のため、何らかの検討は必要であろう。
 
【殿ヶ谷区画整理事業】
殿ヶ谷区画整理事業の工業地域に大型店が出店した。
今後は町づくり三法が施行されたことにより、現時点
では、同様のケースが発生することは当分ないであろ
うと推察される。いかし、組合施行の殿ヶ谷の区画整
理事業に対しては、すでに予定の財源が消化されてし
まっている。現状の交通事情と、保留地処分などの現
実的な財源問題をどのように受け止め、今後、どのよ
うに施策を展開したいと考えているのか。
《森の意見》
殿ヶ谷の区画整理事業は不透明な部分が多い。また、
背景を含め、十分知りえていないため、私の個人的な
判断は困難。しかし、事業を中断することは不可能で
あろう。組合の理事等との条件闘争となろうが、どう
いう形であれ、事業推進にあたっては、組合事業の透
明性を確保することが前提となる。》
 
(3)財政上の問題は
【町の税収】
大型店の進出による法人税、住民税などの増加が予想
される一方で、撤退あるいは収益が激変し、今までの
税収が期待できない企業・商店があるのではないか。
町では、どのように分析しているか。
 
【支出】
本来、大型店が出店したことで総合的に税収が好転し
ても、それに伴う対策費がその収入を上回るようでは、
町として面白くないが、そのようなことはないか。
《森の見解》
町では、何らかの大型店対策がなされると考えるが、キャップ制、グランラドマンホリングス法などに相当する財政支出制約を議会が承認できるほど議会は成熟していない。また、起債を起こすことは極力避けた方が得策であろう(議員サイドが起債の必要性を履き違え、打ち出の小槌のような認識を持たせることは得策ではないし、また、職員も同様の認識を持たれることのないようにすべきである)。従って、あくまでも、財政調整基金に頼らざるを得ないのではないか。そうした場合、現状の財政調整基金の比率枠を拡大し、他の事業の抑制を図ることを第一とすべきではないか。ちなみに、他の事業とは、現時点では契約の見直しがその1つである。全国知事会では「1000万以上の契約は一般競争入札にする」ということで合意した。なお、経年事業については随意契約の必要性も致し方ないと思われがちだが、国分寺市では、家庭ごみ収集運搬を一般競争にすることに成功している。他の事業についても契約の見直しは可能である。
また、2つめとして、徹底的な事業仕分けである。この場合、仕分け作業により、廃止される事業の影響を最も受けるのは町民であるから、仕分け作業に参加する上では、町民の方にも責任の一部を共有していただくことがベターだと考える。なお、団塊の世代のお力をいただくことが効果的であろう。
 
【財政運営】
町では、優良企業の誘致に心を砕いてきたと認識して
いる。ジョイフル本田やザ・モールみずほもその1つ
であろう。民間企業は出店も撤退も流動的である。未
来永劫安定した経営を行える時代ではない。また、税
制改正で、実需ではなく証券・為替(デイトレードな
ど)からの影響が今まで以上に発生するであろう。そ
うした状況の中で、歳入見込みの算定は非常に困難を
極める。町としては、歳入歳出をどのように行ってい
く考えか。
《森の見解》
歳出抑制をしていくためには、今後、発射台を低く見
積らざるを得ないのではないか。また、殿ヶ谷の区画
整理に仮に財政措置を行った場合、自治体の財政力を
示す新基準から鑑みて、健全財政を堅持できるレベル
なのか、非常に判断が難しい。
 
 
(4)長期総合計画との整合性は
【長期総合計画】
平成13年に長期総合計画が策定された。「人と自然が
織りなすまち」は理念的な方向性は今日においても誤
りではないと思う。また、17年の12月議会で後期基
本計画が議会で可決された。その内容についても十分
とは言い難いが、方向性としては納得できるものと考
える。しかし、状況が変わったのである。当初計画で
各事業への財政措置、重点配分や、改めてスクラップ
アンドビルドを行う必要はないのか。
《森の見解》
この問題については、議員提出議案で再度後期基本計
画の変更を審議するレベルではなく、全員協議会で、
町側から修正の説明を行うのが最も効果的な方法では
ないか。
 
【最後に】
まだまだ発展途上のわが瑞穂町は、人に例えるならば、まさに青年期にあたると考えます。私は、今回のような大型店の次々の出店は、都市化の進捗であり、まさに、わが町が青年から大人に成長する時期に差し掛かったのではないかと考えます。
都市化は利便性や合理性を住民に提供しますが、一方で人間関係や伝統文化に対する意識を希薄させる恐れもあります。便利なだけでは、町を思う、人を思う心が育ちにくいと考えます。
今後、都市計画事業や長期総合計画など、計画的な町づくりが進められるでしょう。しかし、その際には、心のつながりに供するように、社会教育、学校教育、町内会などの地域活動が充実するように、そして、町民が真から誇りの持てる町を目指し、そのための事業をぜひ推進させて頂きたいと願ものであります。


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