三位一体改革に伴う補助金の削減
〜町への影響と対策は〜


 戦後約60年が経過しましたが、日本は世界に例の無い経済発展を遂げました。しかし、その一方で、経済発展の速度に制度改革が間に合わず、規制緩和が遅れ、今日では諸外国から「官制高地国家」と評されるようになりました。「官制高地国家」とは、官僚が高所から民間企業や地方自治体に対して規制と統制を行ない国家運営されている国という意味であります。
 確かに、現在の国と地方とのパワーバランスを考えれば、地方自治体の多くの施策は国からの補助金事業であり、国の規制がります。そのため、自治体の身の丈を超える施設建設や非効率なソフト事業が行われます。また、地方公務員は自治体として地域住民に必要な施策を行うとすれば、補助金確保のため、幾度となく国の関係省庁に足を運び、また、継続的と思われた補助金が突然カットされると、その対策に向けて奔走しなくてはなりません。国が補助金カットを行っても、住民の不安と不満の声は地方自治体に向けられ、現況施策の維持のため、自治体で借金をしなくてはならないのが現状であります。そして、今日、多くの自治体では、返せる当ての無い借金を抱え、地方交付税削減に神経を尖らせ、好むと好まざるとに拘らず、合併や歳出削減策に奔走しているのが現状ではないでしょうか。
 このような中で、小泉改革の目玉の一つである「国と地方の税財源改革」いわゆる三位一体改革論議が進められていることは周知の通りであります。その内容は多岐詳細に亘っていますが、簡単に言えば「税金の分配の仕方を見直して、規制を緩和し、自治体が自由に使えるお金を増やすための改革」と少々乱暴ですが一言で言えばこういう事になるのでしょうか。
地方自治体では、この改革実現に向け「全国知事会」「全国都道府県議会議長会」「全国市長会」「全国市議会議長会」「全国町村会」「全国町村議会議長会」の地方6団体から、国へ要請活動を行いました。当然わが町も行っております。具体的な動きとして全国知事会では先月の819日、国と地方の税財源改革(三位一体改革)に伴う補助金削減案をまとめました。ちなみに戦後このような地方自治に拘る有力団体から国への声が一丸となって届けられたことは始めのことではないかと言われています。
しかし、このような強い地方からの声があがっても、スムーズに改革できないのではないかと懸念しています。常識的に考えれば、地方自治体の声は、国民の生の声に最も近いのですから、防衛や外交、経済対策といった国家戦略事業は国が行うべきでしょうが、「暮らしや生活に直結する施策は地方自治体に任せ、国はそのための予算配分と規制緩和を行う」ということは至極当然のことです。しかし、今の日本の政治体質では、政策的優位性や国民の声より「現状の制度の中で強力な政治力と利権を持つ面々が、どこまで自身の権益を手放すか」が政策決定の重要な問題となっているようです。ややもすると、抵抗勢力によるの圧力により、「本音では三位一体改革に消極的な、補助金にどっぷり使っている自治体」へ切り崩しがあるのではないかとの指摘もあります。政府与党による各部会の話し合いは当分続くことが予想されます。このような具体案への取り決めが合意できない場合「ない袖は触れない」とばかりに、政策上の必要性とは無縁の既得権益の弱いところから補助金を削減たり、仮に規制緩和されても、補助金そのものが縮小される可能性があります。
我が瑞穂町は、現在都内トップの健全財政を保っています。この背景には、長年にわたり、バブルに躍ることなく、町の身の丈、町の将来を考えた施策展開、行政運営においても常に歳出抑制を心がけてきた賜物であると思います。
しかし、健全財政瑞穂といえども、三位一体改革がある程度の落ち着きをみせるまで、万一に備え、財政調整基金をある程度確保しなければならないでしょう。推進したい事業があっても推進できない、財源があっても使えない、先が見えない故のジレンマの中での行財政運営になるのではないかと懸念しています。それゆえに、町の行財政運営と政治的判断による責任が一層増加することは必至となります。そこで、次の点を町長に伺うものであります。
@    三位一体改革によって、町民はどのような影響があると考えていますか。また、懸念されていることはありますか。
A    長期総合計画や区画整理事業を始め、少子化対策、高齢化事業など、町で進められている計画的、継続的な事業にどのような影響はあると思われますか。また、どのようなことを懸念されていますか。
B    このような事態に町ではどのよう対策を講じる考えですか。
 
【森わたるの考える地方分権の理念】
(1)国は地方自治体の自立を考える。地方自治体は地域の自立を考える。地域は個人の自立を考える。自立した個人とは社会との拘りを自覚し、社会に参画して初めて認められるものである。その自立した個人の集合体が自治体である。なぜなら自治とは「自ら」「治める」ものだからである。
(2)町づくりの基本は、住民の町に対しての誇りと愛情である。それを生み出す施策が第一。システムはそれらを活かす手法の一つにすぎない。
 
【地域分権への規制緩和】
@    国が補助金への規制緩和し地方分権を進めるのと同じように、町も地域への補助金規制を緩和し、地域分権を進めていく義務と責任があるのではないかと考える。
提言:一例:単年度使いきりから、各年申告制へ。その年度、予算が余っても、翌年度に削減されることがないようにする。
A    地方分権化の中で、指定管理者制度が条例化の方向にある。しかし、この制度には落とし穴がある。指定管理者制度は地方分権と別物であるという認識が必要である。大切なことは、民間の主体性と地域の主体性が発揮されるような施策が必要である。
提言:指定管理者制度を実行する場合、監査制度が重要となる。行政が監査に加わると、結果から見て行政主導になってしまう可能性がある。行政は監査が適正に行われるシステムになっているかをチェックする。(任期2年、再任を避けるなど)
B    その場合、現実問題として、自治会役員や各種団体などの後継者問題が表面化する中で、地域主権向けて、町としてどのように取り組む必要があるかの基本理念に基づいたプランが必要である。
提言:特に行政と自治会との関わり方を見直す必要がある。自治会と行政とのパートナーシップの確立。町内一斉事業の見直しを進め、自治会提案の地域推進事業への協力体制を図る。責任と仕事量の緩和、あるいは報酬などの見直し。
【まちづくり】
C    長期総合計画の計画時点では、社会状況や制度改革など激変している。変化の速度の予想は不可能であったと思われる。長期総合計画の見直し、あるいは計画の優先順位の変更など、柔軟な対応が望まれる。
提言:長計はあくまでも町づくりを進める上での将来像であり、形である。大切なのは理念である。「人と自然が織りなす町みずほ」の理念が生きるために何をどうするべきかを考えることが最優先。したがって、長計を根本から見直すことは時期尚早。しかし、自主財源の確保を始め、新たに取り組まなくてはならない施策については、その理念が活かせるように柔軟な対応をすべきである。
【自主財源の確立】
D    知事会の提案する改革案も、恐らく国の提案する改革案も、いずれにしても自治体の自主財源の創造が求められることは必至である。町ではこの問題にどのように取り組んでいくか。
提言:大手企業の進出計画など、自主財源確保に明るい兆しがある。また、区画整理などの都市基盤整備も順調に進んでいる。しかし、それ以外での新たな可能性を模索しなくてはならない。例えば町のホームページや広報、耕心館やスカイホールなど、民間の広告が載せられるよう規制緩和するなど。できるできないに関わらず、行政職員内から自主財源確保へのアイディアを募集できる体制は整えたい。その意欲を育てたい。例えば町では、職員に事務改善を募集している。同様に自主財源の確保への提案を募集させるなど、試みて欲しい。
 
自主財源確保へ)
―税収アップへのプロジェクトチーム
―企業の進出条件を他の自治体より有利に。地方税の見直し、公共施設の提供など。
―ホームページ、広報、公共施設などへの広告掲載への規制緩和など。
(事業・運営のスリム化・合理化)
―補助金事業への見直し。単年度使いきり方から、事業目的による定額変更方式へ(各種団体からの事業計画案提出義務化へ)
―入札制度の見直し。随意契約から一般競争入札。総合入札制度の導入。など。
―町施設管理を一括型の運営PFI方式に。
―町事業の一部を自治会事業へ(自治会への差別化・競争原理の導入)
(町の組織の再編:あくまでも一つの理想系)
―企画産業課(仮称)企画係、渉外係、産業振興係、情報係
―社会保障課(仮称)児童係、高齢者係(介護保険含む)障害者係、他
―住民自治課(仮称)防犯・防災係、ごみ減量係、環境美化係、
―行政総務課(仮称)総合人事係、施設管理係、選挙管理委員会、文書管理係
―その他


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