新教育課程への対応を問う。


 これまでの学習はとかく知識偏重に陥って、学校で学んだことが社会生活に生きて働くことが十分でない。また、学習の目的もテスト対策になり、日常の中で積極的に学んでいこうとする態度が身につきにくい。社会の変化に対応していく意欲が欠落しがちで、社会変化を受け入れられず閉鎖的・利己的になりがちである。など、指摘されています。外務官僚の一連の疑惑、雪印食品の問題などで代表されるような一般的に言われる「モラルの崩壊」は、これまでの知識偏重教育と無関係とは思えません。
国ではこれまでの教育の在り方を見直し「激しい変化の時代に生きる力を育成する」「自ら学び考える主体的な学習態度を育てる」「知識と生活の統合を図る」以上の3点を柱とした新教育課程を今年の4月より導入いたします。大きく変更された点は完全週休二日、総合的学習の時間の導入、成績評価を相対評価から絶対評価となる点です。
 特に生徒が中心となって主体的に学習していく「総合的学習の時間」は、今までの初等・中等教育ではなかった新たな試みではあり、期待されている半面、問題点も大きいと指摘されています。
まず始めに、新教育指導要領はゆとりの教育うたい、教科内容を厳選したが、授業時間が大幅に減少し、ゆとりどころか基礎学力の低下を招き「総合的学習の時間」の目的である「主体的学習」でも、それを裏付ける基礎学力がなくては自ら学ぶことは不可能ではないか。
また、「総合的学習の時間」が従来の教科学習と根本的に違っているのは、授業の内容や組み立てに関して、地域や学校の特色を活かして、各学校の主体性に任されていると同時に、点数によらない生徒の評価も求められている点であるが、ただでさえ多忙な教育現場で、人的にも資金的にも十分な援助がないままに、学校の主体的取り組みばかりが強調されても、こうした試みが成果をあげるとは言いがたい。
 他にも、「総合的学習の時間」の導入は混迷する教育に新しい光を投げかける可能性もあるが、教育機関が事なかれ主義で、外部指導員の選別に慎重になりすぎたり、学校側の都合で招聘した外部指導員が、生徒のニーズに合致していなければ、結果的にイベント的、お祭り的な時間に終わる可能性がある等の危惧がある。
例えば、環境問題を取り上げたとして、自然保護と産業構造。理想と現実。社会的・文化的・歴史的考察まで踏み込んでいかなければ、環境問題の本質は捉えられないのである。ところが、環境学習と称し、学校の近くのゴミ拾いをし、感想を発表して「総合的学習の時間」とするなどが最たるものである。
 新教育課程の趣旨を実りあるものにするためには、これらの指摘を考慮し、「総合的学習に時間」にいかに取り組んでいくかが極めて重要なのです。教師の能力では対応しきれない専門分野の人材招聘。体験学習機会の創設など、教育機関をバックアップするサポート体制がなくては新教育課程の趣旨は全うされないでしょう。
現在町では人材バンクを始め、人材の確保に努めていると認識しておりますが、果たして本当に機能できる体制になっているのでしょうか。
この問題に対して、所管の厚生文教常任委員会で私は、人材バンクを有効に活用できるよう第三者機関の設置を提言いたしましたが、教育長は「学校を信頼しながら、十分打ち合わせをした中で、授業を行っていただく。担当教諭との信頼関係がなければ進んでいかないという認識をもっている。」と答弁しています。率直に言ってこれでは、先ほどの指摘と遜色なく、従来の管理教育と何ら変化が見られないように思います。子供達を見ているのか、円滑な学校運営を見ているのか図りかねます。多種多様な子供たちの好奇心や、探究心を育成することが最優先課題ではないでしょうか。どういう基準で外部指導員を選別していくのか、総合的学習の時間導入の趣旨と円滑な学校運営をどのように両立させていくお考えか、はっきりとご説明願いたいと思います。
 次に評価・評定の問題です。
現在公立の中学校は相対評価ですが、4月から絶対評価に変わります。
どちらも一長一短ありますが、少子化といった社会状況や、新教育課程の趣旨を考えれば、絶対評価の方が有効であろうと想像はできます。絶対評価の場合の評価方法は美術を例に取ると「1、美術への関心・意欲・態度。2、発想や構想の能力。3、創造的な技能。4、鑑賞の能力」といった観点別評価から算出されていきます。
非常に抽象的な要素が含まれますが、先生も最大限生徒一人一人を理解し、学習状況を評価していくと思います。しかし、人間である以上、誰もが納得する完璧な評価は出来ません。先生と生徒の間でボタンの掛け違いが生じる可能性が否定できないのです。
先生方が気遣いなく安心して評価できるような体制と、その評価に対して、児童生徒、保護者がある程度享受できる環境整備が求められます。
特に中学では受験がある以上、成績評価には児童や保護者にとって関心の高さが続くであろうと考えられます。なぜならば、公立と違い、多くの私立高校では内申書へのウエイトが存続するからです。
絶対評価には説明責任が今以上要求されます。それだけに客観性と信頼性の確保が要求されるのです。
学校の見解と生徒児童及び保護者との意見の食い違いが生じた際、担当教諭や学校が振り回され、児童生徒の教育にも影響を与えるようなことがあっては本末転倒です。従って、児童生徒のためにも学校を町全体でバックアップできるシステムを作る必要があると判断します。この点においても、何処にも拘束されない、客観的立場で判定できる第三者機関の必要性を質疑いたしましたが、答弁は「ご指摘の通りだとは思う。地方分権とはいっても、教育については東京都・国との問題もある。現在は西多摩支所の指導主事、あるいは主任指導主事と連携をとりながらやっているが、これ以外の機能が必要かどうかは問題提起としては大きく、答えは難しい」という内容でした。
町単独での第三者機関は物理的に困難ならば、同様の事態が予想される他の自治体との連携も視野に検討する必要があるでしょう。
要は、児童生徒にとって、どうすることが最善かを考え、意欲的に大人たちが汗をかき、取り組むことではないでしょうか。
以上を総括し、3点に渡って教育長に質問いたします。
1点目、成績評価の信頼性と客観性をいかに確保していきますか。
2点目、総合的学習の時間導入の趣旨を踏まえ、人材をどのように確保し、適正を図っていくお考えですか。
3点目、公平な立場で判断できる第三者機関創設についてのお考えはありますか。
 
以上を持ちまして登壇での質問を終わります。

研究レポート(再質問内容含む)


総合的学習の時間:導入の趣旨と円滑な学校運営の両立
    人材確保
C1、学校が確保
C2、行政が確保
C3、生徒の要望
C4、地域からの要望
C5、本人の要望
 
    適性判定基準
C1、宗教・イデオロギーの有無
C2、経験と実績
C3、社会的地位
C4、指導力
C5、時間・コスト
C6、営業との関連性
問題点
・ 生徒が学びたい人材と学校が教えてもらいたい人材が一致するか。
    現場へ行く必要が生じた場合、時間配分。職場等での現地見学の際、先方への希望を個々で要求は多大な迷惑をかける。
    学んだことが活かされるためのカリキュラムは
    体験学習時、及び現地までの間の事故等の発生の可能性に対しては
    こづかいの必要がある場合は
     
絶対評価
C1、指導者に好かれる=学習意欲、関心度等の判定基準の上昇に繋がらないか
C2、他校(瑞穂外も含め)との関連は
C3、知的障害者の評価基準は適正か
C4、教師間での評価査定基準は適正に行われるか
問題点
    客観性と信頼性の確保をいかに図るか
    きめ細かい説明責任(成績等)の発生が予想されるが対応はできるか
    成績等での訴訟問題(志望高校に入学できなかった、担当教諭、担任、学校等を変えて欲しい)が起きる可能性があるが、起こった場合の対応は
 
 
生徒版希望先生・体験リスト
 
1、教えて欲しいこと・体験したいところ(理由)
牛の乳搾りをしたい。
普段飲んでいる牛乳やアイスクリームがどうやって飲めるようになるのか、大変なところとか知りたいから。
 
2、いつ頃がいいですか
出来るだけ早く
 
3、希望者
クラス:
氏名:石畑花子、箱根恵子、元狭山一郎
 
 
4、保護者の緊急連絡先保護者印      
  石畑あきら印   556−XXXX
箱根京子 印   556−XXXX
元狭山勉 印   556−XXXX          
            
5、保護者コメント
牛が危害を与えないか心配ですが、子供がぜひやりたいというのでお願いすることにしました。よろしくお願いします。
 
生徒版希望推薦リスト
1、希望する先生
瑞穂太郎さん
 
2、推薦理由
北朝鮮問題に詳しく、解りやすく教えてくれる。みんなにも是非聞かせたい。
 
3、連絡先 557−XXXX
 
4、何を教わりたいのですか
新しい歴史教科書の問題
 
5、クラス:22
 
6、氏名:長岡二郎、
 
7、保護者印  長岡良子 印
 
8、保護者コメント
色々な考え方を知り、物事を冷静に判断できる人間になって欲しいと思っています。いいきっかけになればと思います。


第三者機関から
・学校の判断の異議申し立てについて:学校側の判断を適切なものとする。
大変興味深いお話ではあり、学校側も話の内容そのものに意義を唱えているわけではありません。学校側としては、様々な社会状況から生徒の安全等を考慮した場合、公の機関では時期尚早という結論となったと説明がありました。
長岡君はとても素晴らしいところに目をつけたと思っています。瑞穂太郎さんとは個人的にこれからも多くのことを教わりながら、人間性豊かな大人になってくださることを心よりご期待申し上げます。
 
・判定評価を巡って
判定結果と経緯:学校側の評定を適正と判断いたします。
南平五郎君の成績に関して、意義があるということですので、校長や、担当教諭と3回にわたり話をしたところ、本人の意欲が表に見えてこなかったことが評定基準に影響を与えたようです。日頃の授業の中で、友人とのおしゃべりなどが目に付いたようです。
他の評定は目立って低いわけではありませんし、南平君の作品も拝見させていただきましたが素晴らしい作品もあり、大きな可能性を有しているようにも思えました。授業での取り組み方を工夫され、更なる飛躍を遂げることをご期待申し上げます。
 
    判定評価を巡って
判定結果と経緯:学校側の判定が不適当であったとする。
南平五郎君の成績に関して、意義があるというので、担当教諭、校長、教頭と3回にわたり話しました。また、本人からの報告も重く考慮いたしました。南平君の某教科の落ち込みは平成16年の中学2年の2学期からでした。当時南平君は中学2年の1学期まで野球部に所属していましたが、その後退部いたしました。評定を見ると学習意欲がこの頃から低く評価されています。野球部の顧問として南平君の退部が影響しているのではないか、南平君の性格等様々な角度から調査したところ、野球部の顧問であり、担当教諭に公私混同があったと判断いたします。
速やかに判定の見直し、以後こうした誤解の生じないよう注意し、適正な評価を下されるようお願いいたします。(瑞穂中学校でかつてあった実例がモデルです)
第三者機関へのフォローチャート
 
人材・及び成績評価等  
 
生徒・及び家庭・人材リスト自己推薦者等
 
            
 
   学    校  一次判断
 
・学校の決定に意義が生じた場合
 
学校・教育委員会・教育関係機関との協議と異議申し立て人との協議
 
・協議により合意形成が出来なかった場合
 
第 三 者 機 関 二次判定
 
    第三者機関による判定に納得が出来なかった場合
 
           訴   訟
 
    第三者機関のメンバーには、その趣旨を鑑み、
1、       法律に明るいもの
2、       教育に明るくかつ現場経験を有するもの
3、       教育に明るくかつ現場経験を有しないもの
4、       児童福祉に明るいもの
5、       関係自治体に拘わらない住民の代表2〜3
 
以上が理想と思われるが、町単独で理想的な第三者機関を創設するのは困難と考えられる。近隣の自治体の教育関係機関とも協議し、エリア指定はあえて避けるが、広域行政の中で第三者機関が創設されることが望ましく、またその方がコスト面を始め、トータルで考えた場合有効であろうと思われる。

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