定数削減賛成討論

地方議員にとって、最大の権限と責任は議決権の行使にあります。したがって、私達議員は、住民の声や自らの調査・研究から到達した結論を町政に反映させることに留まらず、より適正な判断が下されるための審議方法にも着眼しなければならない立場にあります。しかし、では何名の議員構成で行うことが妥当なのかという客観的根拠は、全く無いのが現実です。従って、元々、現状の議員定数18名を維持しなければ、最終的に町民の付託に応えられないとする根拠も当然無いわけであります。
確かに、現在の議員定数18名となった昭和34年当時と現在とを比較して、人口で3倍、世帯数は6倍となっています。当然、住民の価値観やニーズが多様化していることは疑いようのない事実でありますが、一方で、情報公開制度並びにインターネットの普及等、議員が審議する上で欠かせない最低限必要な情報が瞬時に収集できるようになった昨今の現実は、それを補って余りあるものであると考えます。事実、一般質問の数も、数年前とは比べ物になりません。私が議員になった約10年前は、一般質問の日程は1日であり、また、予算・決算員会での日程も2日で行われたのです。
また、その他として、すでに議員定数削減を行った自治体から、議員数が減って住民生活に支障をきたした。協働のまちづくりが後退した、あるいは、チェック機能が低下して、行政による無駄使いが膨らみ、財政状況が悪化したなどという報告を耳にしたことがありません。むしろ、結果は逆であります。こうした現実を直視した時、定数を削減しても十分町民の付託に応えることは可能であると考えます。
しかし、だからといって、定数削減を手放しで肯定することもできないことも事実であります。地方分権化の進展により、自治体の主体性と責任が一層求められる中で、地方議会の弱体化は避けなくてはならない重要な課題であるからです。従って、議員定数削減が議会の弱体化につながらないか、私個人としても定数削減を訴える中で、正直一抹の不安もありました。ところが、今回、この地方議会の弱体化を危惧し、定数削減に慎重な発言を一貫して繰り返し主張された同僚議員から、議会活性化委員会において、大胆な定数削減案が提案されたことは、議会の弱体化を危惧してきた議員の不安を払拭するとともに、定数削減を良しとする最大の根拠となったと受け止めます。
さて、今回、私がこの議案に賛同する最大の理由は、社会状況の変化や2名削減すれば、年間約1200万円の経費削減ができるといった、町への財政的なメリット、議会改革により定数が削減されても十分なチェック機能や審議が可能であるといった判断からだけではありません。地方議員としての心のありようが最も大切であると考えるからであります。
現在は社会保障費の財源不足が深刻化している時代なのです。例えば後期高齢者医療制度の当初案のように、結果的に多くの高齢者にとって負担増につながる制度改正や、また、国や都からの補助金の見直しも起りえるでしょう。それらは、町民の生活に大きな影響を与える可能性を予感させるものであり、避けては通れない現実的課題が控えているのです。まして、議員であればその住民への将来への影響等について真っ先に把握する立場にあります。また、同時に、瑞穂町住民にとって、その最後の相談窓口は都でも国でもなく瑞穂町役場であり、多くの住民からの悲痛な要望や声に対し、ただでさえ他の自治体に比較して多いとはいえない現状の町職員が対応しなければならないことも十分承知しているはずであります。そうした中、我々議員は、今のままでよいのでしょうか。少なくとも、我々議員は、住民への痛みや現場職員の苦悩をおもんばかれば、まず我々議員が先んじて傷みを受け、さらに切磋琢磨することが、住民の付託に応える議員としての姿勢であると確信しています。少なくとも住民の痛みや町職員の現場の苦悩を理解しよう、共有していこうする心とそれを具現化しようとする態度無しに、どうやって町民の皆様と向かい合えるというのでしょうか。どうやって町職員に意欲的に取り組めといえますか。私にはかける言葉もありません。
2名の議員削減は議員からしてみれば、狭き門となります。しかし、あえて自らから厳しい選択をすることが、今まで以上に町民や現場で働く町職員と議員との信頼を深めるきっかけになると確信します。それこそが、議員定数削減の最大の効果であると最後に申し述べて、以上で本案に対しての賛成討論と致します。


もどる